大切なのは睡眠の量か質か

 大切なのは睡眠の量か質か

 

 毎朝、学生や大人が電車の中でうつらうつらしているのを見かけます。これから一日が始まるというのにそういう人たちの無気力な顔といったら不思議でなりません。この光景があちこちで見られるようであればかなりまずいのですが。よく「早寝早起きしましょう」とか「睡眠はしっかり取りましょう」などといった言葉が充実した生活を送ることができるようにと口々に唱えられており、これは世間では睡眠が十分で無く、充実した生活を送られていない何よりの証拠。しかし睡眠の量が足りていないために「そう」なるのでしょうか。

 一方で修学旅行や運動会を目の前にした日には学生の中にそんな人を見かけることは滅多にありませんし、重要なプロジェクトを任された、恋人ができた、近いうちに海外旅行に行くなどという人は電車内で「そう」なるはずがありません。もちろん仕事や勉強で徹夜した、何らかの理由で一睡もできていないということもあるかもしれませんがそんな人達は精神的な充足を味わえていない、つまり睡眠の質が必要にまで達していないのです。

 ということでやはり大切なのは睡眠の質だと考えられます。自分の人生が順風満帆に送られている様子を想像していただければお分かりいただけると思います。仕事は順調、豊かで程よい人間関係で精神的にも充実、いつ死んでも構わないと言わんばかりに一日一日に情熱を注ぐ。そんな時は睡眠の量は少なくてもなんとかやっていけるでしょう。それでもよくわからないのであれば逆を考えてみましょう。やりたくもない仕事を任され、人間関係に振り回されっぱなしで趣味に費やす時間もない。そんな時は大体一日に満足を感じることができずダラダラ無駄に起きているか、現実逃避のために早く床につきます。そんな状態であれば朝も潔く起きられませんし、生気を失い疲れが残ったまま一日をスタートします。睡眠時間がしっかり取れていようが体の疲れが取れないようならまったくもって無意味です。

 かの発明王エジソンの睡眠時間は4時間と言われていますし、日々底が見えないまでの好奇心で新しい世界を開拓している子どもたちは決して睡眠時間は長くありません。満ち足りたと感じる一日を過ごした人は僅かな睡眠で明日に備え、また輝かしい一日を迎えるという好循環。もしくは一日エネルギーを浪費し、不満を貯めこみ、一晩大して疲れも取れず次の日にわざわざお持ち帰りする悪循環。

 どちらを選びますか。